風を起こすバッジ

去年の夏、『四国こどもとおとなの医療センター』のホスピタルアートディレクター・森合音さんから、病棟の投票で選ばれたモデルナースとサービスリーダーが胸に付けるバッジを作れませんかと、医療者から提案されたアートなんですと打診があった。

誰かに協力してもらえないかと考えて、病院のニッチのコーナーに紙に刺しゅうをしたポチ袋や栞をこれまで何度も届けてくれているモーネの卒業生で9期生のあみちゃんにお願いすることに。

モーネの卒業制作の時に『紙と土と布を使うこと』という制約から始まった“紙に刺しゅう”をする手法で作品を作っている彼女、布だと刺しゅうしやすいですと45個の毎日取り外しのしやすいバッジに仕上げて送ってくれた。

離れていても今でもこんな風にモーネを手助けしてくれる卒業生たちや仲間が何人もいてくれることが、ほんとうにありがたい。

 

『このバッジはゴールではなくスタートです。

当院が目指すのは、やがてスタッフ全員がこのバッジを胸に仕事してくれることです。

その先に地域の人々に愛される病院像が立ち上がってくると信じているからです。』院内に貼られたポスターに。

ひとりひとりの心に寄り添うホスピタルアートの風は、確かに吹きはじめていると思う。