小児病棟に

9月になって『四国こどもとおとなの医療センター』に。

瀬戸内に来てから、今までずっと成人病棟でワークショップを行っていたのを、7月から小児病棟で切り紙カレンダーのワークショップをさせていただいている。

 

今月は『トンボ』がテーマで、ハサミが使えない小さな女の子は、お母さんが作ったトンボに丸シールを楽しくてたくさん貼ってくれた。

「わー、トンボの目がキョロキョロしてるね」というと、女の子もお母さんも保育士さんも微笑んでくれた。

車椅子で参加してくれた男の子は、手を動かす時に保育士さんが名前を呼んで声掛けしながらカレンダーを作ってくれた。

目が見えない女の子は、お母さんが寄り添いながら紙粘土を素材にしてトンボを作ってくれた。

病院でのワークショップは、次の月には退院されていて会えないことが多いけど、7月から三度のワークショップに参加してくださったお母さんは、終わってから「ほんとうに楽しい。こういうの大好きなんです!」と笑顔で明るく手を動かしてくださった。

 

『こども寺子屋』の経験を生かして、これからは小児病棟でのワークショッップに行かせてもらうことになった。

ここでみんなに手を動かしてもらう間は、こども達に寄り添うお母さんや保育士さんに任せて、私はこれからのもの作りのテーマや材料をどうするか、どんなカタチで日常のもの作り時間を届けられるかを考えることだと気付けた。

この二ヶ月は、こども達ともの作りを楽しむ以上に毎回お母さん達の愛の深さを感じるばかりで、帰り道は涙をこぼしていたけど、この日の帰りは、車をテーマにしたら丸シールも生かせるかなぁ、カレンダーの向きを横向きにしたら車が道路を走ってるように見えるかなぁ、立体カレンダーやモビールカレンダーも楽しそうだなぁ…などと、どんどんアイデアが浮かんできた。

小児病棟の保育士さんやお母さん達と共にできることを試みてゆこうと思う。